お大師さまの言葉で「時機が来なければお釈迦さまは説法をなさらない」と言う意味です。
仕事や習い事などで、新入社員や初体験の方に、最初からすべての事を伝えて、すぐに出来るようになるという事は、まず無い事だと思います。
仕事にしても習い事にしても段階があります。ですから、教える方は一つ一つその人に合った理解力を見ながら教えていかれると思います。
受取る側の器が成長していないのに、いくら詰め込んでも溢れ出てしまう訳です。
「写瓶無遣」(しゃびょうむい) 一つの瓶の水を一滴もこぼさずにもう一つの瓶に移すように師僧は弟子にすべての教えを伝える意味ですが、時機が来なければいくら師僧が熱心に教えても弟子の頭には入らない、という事になってしまいます。
どうぞ部下や生徒、家族に何かを教えるときや注意をするときなどは、時機を見ることで「写瓶無遺」が実現することでしょう。
また、教わる立場の方は「なんで教えてくれないのか」と思う前に器を大きくする努力をすると良いと思います。
合掌 |